ワーク主体のUXブッククラブ #5「共感力を磨く! ~ 『ユーザーインタビューをはじめよう』に学ぶ」

Description

本を肴にワークする、本を読まない?ブッククラブ


「本」は知識や技術や経験を伝達する、最も優れた手段のひとつです。絶えずスキルアップを目指すプロフェッショナルにとって、読書は欠かせない習慣と言えます。ただ、効果的・効率的に「本で学ぶ」ためには、ちょっとしたコツがあります。

まず、(全くの初学者でない限り)本の内容を隅から隅まで頭に入れる必要はありません。本には「核」となるような章(または部)があるので、そこに焦点を当てて読むほうが効率的です。また、「読む」だけでは技能は身につきません。実際に手を動かして自分なりのアウトプットを出してみることで、初めて本当の「学び」が得られます。


「ワーク主体のUXブッククラブ」は、そんな「本で学ぶ」人のための勉強会です。毎回、話題のUX関連本を取り上げ、その本をネタにした手軽なワークショップを行って、各自で簡単なアウトプットを出してみます。

5冊目の"ネタ本"はスティーブ・ポーチガルの「ユーザーインタビューをはじめよう」です。インタビュー法のノウハウは多岐にわたりますが、今回は「共感」に焦点を当てます。ユーザ調査の目的は「ユーザに共感する」ことですが、その際に「シンパシー」と「エンパシー」を混同していると的外れな調査になってしまいます。リサーチで必要なのは「シンパシー」ではなく「エンパシー」です。ワークショップでエンパシーする力を磨きましょう!

特に事前知識は必要としません。ソフトウェア開発手法に興味のある人ならば、どなたでも参加していただけます。

※参考:「シンパシーとエンパシー」
ユーザ調査の目的はユーザに「共感」することです。私たちは日頃から「友人の"恋バナ"」や「ドラマの主人公」に共感しているので、同じようにユーザに共感しようとするでしょう。でも、その共感は本当の共感ではないかもしれません。

共感には「シンパシー」と「エンパシー」があります。シンパシーは「感情移入」、エンパシーは「自己移入」と訳します。

友人の"恋バナ"を聞いて「そうそう、私も同じ」とうなずいたり、ドラマを見ながら主人公と一緒に涙を流したりするのはシンパシーです。その実体は、共通体験や類似体験に基づいた「あなた自身の感情」を相手に当てはめているに過ぎません。

エンパシーとは「相手の思考プロセスを自分で演じてみる」ことです。友人の恋愛観を理解すれば、お似合いの相手を紹介してあげられます。ドラマの主人公の立場に立てば、脚本が書けるでしょう。

ユーザ調査とはユーザと一緒に喜怒哀楽を感じることではありません。ユーザに寄り添って、彼/彼女の喜怒哀楽を「感じ取る」ことです。

【イベント概要】

◎開催日時:2017年12月18日(月)19:30-21:30(19:15開場)

◎開催場所:ベンチャーステージ上野4Fコワーキングスペース
(※お越しの際は正面玄関(昭和通り側)からエレベータで4Fへ)

◎参加費:千円 (※Amazonポイントで後払い。当日、支払い方法を説明します)

◎定員:10名

◎備考:ネタ本は読んでも、読まなくても、どちらでも構いません。読んでからワークするも良し、ワークしてから読むも良し。輪読(翻訳)会ではないので、当日、書籍を持参する必要もありません。

【ネタ本の書評】


本書の原題は「Interviewing Users」で、2013年5月にローゼンフェルド・メディアから刊行されました。BNNからこの翻訳版が出たのは2017年6月なので、タイムラグは"4年"ということになります。しかし、内容が古いということはまったくありません。"ドッグイヤー"と言われるほど変化の早いIT業界ですが、UXリサーチの場合は状況が異なります。どんなにテクノロジーが変化しても、調査対象となる「人間」はほとんど変わらないからです。

本書は題名通り、UXリサーチにおける「インタビュー」に焦点を当てています。つまり、リクルーティングから始まり、インタビューガイドを作成し、フィールドワークを実施して、インタビューを記録するまで――を扱っています。ただ、インタビューをどのように分析して、分析結果をどのようにデザインや開発に活かすのか、については本書の焦点ではないので「オマケ」程度の扱いです。

本書で解説されている内容はUXリサーチの「王道」です。リーンスタートアップ系で用いられる道端やカフェで手軽に行う簡易調査ではなく、事前にリクルートして、現場を訪問して、録音/録画するという正式な調査です。そして、調査のプロならば必ず実施していること(=初心者は必ず学ばなければならないこと)がちゃんと書かれています。

本書の魅力は、そういった実務的なテクニックやノウハウに加えて、著者の実体験に基づく実話/逸話が豊富に収録されていることでしょう。教訓的な話や成功事例だけでなく、失敗談/苦労話(war stories)も赤裸々に語っています(この著者は、そういった苦労話ばかりを集めた「Doorbells, Danger, and Dead Batteries」という書籍を、同じくローゼンフェルド・メディアから2016年に刊行しています)。

今のところ、UX系でインタビューに特化した内容の書籍は本書とIndi Youngの「Practical Empathy」の2冊くらいしかありません(和書ならば「ユーザーインタビューの教科書」もありますが)。そのため、海外のUX関連書籍ではインタビューに関する参考文献として本書を記載していることが多いです。

本書には、オレンジ色を強調色として用いているので文字が読みづらかったり、いくつか誤訳があったり、といった編集上の問題点はありますが、ユーザインタビューの「世界標準」として手元に1冊持っておく価値はあると思います。

【主催者紹介】
樽本 徹也(たるもと てつや)
利用品質ラボ代表。UXリサーチャ/ユーザビリティエンジニア。ユーザビリティ工学が専門で特にユーザー調査とユーザビリティ評価の実務経験が豊富。現在はプロのコンサルタントとして、家電からスマホアプリまで幅広い製品/サービスの企画開発に携わっている。著書は『アジャイル・ユーザビリティ 』 、 『ユーザビリティエンジニアリング(第2版)』(オーム社刊)など。

【会場風景(ビル入口・4Fコワーキングスペース・イベントの様子)】




Updates
  • イベント詳細情報を更新しました。 Diff#298315 2017-11-27 10:44:34
Mon Dec 18, 2017
7:30 PM - 9:30 PM JST
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Venue
ベンチャーステージ上野4Fコワーキングスペース
Tickets
後払い(千円) FULL
Venue Address
東京都台東区下谷1丁目11番15号 ソレイユ入谷4F Japan
Directions
東京メトロ日比谷線入谷駅2番出口より 徒歩1分/JR線「鶯谷駅」南口より 徒歩4分/JR線「上野駅」 徒歩12分
Organizer
UXブッククラブ東東京
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